「括弧」なのに「格好いい」!滋賀の芸術系大学ロゴデザイン

公開日:2015年11月2日 最終更新日:2022年3月25日

成安造形大学

成安造形大学

第59回は、滋賀県大津市に本部を置く芸術系の私立大学「成安造形大学」のロゴです。

このロゴは、2010年と最近で、当学園の創立90周年の記念として「VI(Visual Identity)」の刷新が行われたときに誕生しました。
見ての通り「カッコ」やないかい!と突っ込んだみなさん、さぁロゴデザインの醍醐味を味わっていきましょう。

モチーフは、見ての通り「括弧」です。構成としては、この「括弧」マークと「成安造形大学」のロゴタイプでセットでロゴデザインとして表現されています。
「成安造形大学」の文字をとると、ホントにただの括弧ですね。
さて、今回はロゴデザインと表現しましたが、今回はマークではなく、ロゴタイプとキャラクターアイテムの2つで構成されています。このキャラクターアイテムが括弧【】です。
ロゴタイプについては、「経年に耐えるシンプルな書体」として、シンプルなデザインを選択しています。そして、キャラクターアイテム【  】が、このロゴデザインのコンセプトを表現する部分を担っていて、「学びの空間」を意味しています。

その意味について、3つ説明しています。


・【  】は、成安造形大学のひらかれた知の環境を示している。
・【  】の中に見える白いまるい空間は、多様な人間の思考のありさまを示している。
・【  】の中にみえる白い空間には、解らないことを解るという知からはじまり、ついには解ったことが解らなくなるという【無知の知】を知るという意味が「空」として表されている。
「空」とは、事物の多元性・可変性・流動を内含し、固定化したものと捉えない世界観を表したものである。


そう、この括弧は、一つの理念を象徴するロゴマーク、言い換えれば単一イメージ型の象徴ではなく、「常に新しく生み出しつづけること」をアイデンティティとして可視化したロゴデザインなのです。
【  】をみるのではなく【  】の中にみなさんは何を見ますか?

90周年の歴史を大切にしながらも、新しい教育のあり方をめざす成安造形大学にふさわしいものに仕上がったと、大学側のコメントも自信にあふれてますね。

今回のロゴデザイン=VI(Visual Identity)制作 については、クリエイティブ・カンパニー GRAPHと連携して制作されたそうです。制作者の名前もしっかりだすあたりは、クリエイティブ系の大学のもつ信念と自信を感じられますね。
※クリエイティブ・カンパニー GRAPHウェブサイト:http://www.moshi-moshi.jp/
[大学ロゴ]

成安造形大学
http://www.seian.ac.jp/