最終更新日:2025年6月25日
独立起業や副業を始めるとき、社名や屋号、サービス名とあわせて「ロゴを作ろうかな」と考える方は多いのではないでしょうか。
一方で、ロゴづくりには少なからず費用や手間がかかるため、「とりあえずは後回しで」と思う方も少なくありません。
しかし、ロゴは単なる“見た目”ではなく、ビジネスの立ち上げ期を支える心強いツールです。
私はこれまで、企業規模を問わずさまざまなロゴ制作を手がけてきました。
そのなかで、実際にロゴが果たしている役割や、どんな効果を生み出してきたのか、多くのお客様からお話を伺ってきました。
この記事では、そうした経験をふまえて「ロゴを持つ意味」と「ロゴがもたらす4つの効果」についてお伝えします。
ロゴ制作を検討中の方、どう活用すればよいかわからない方の参考になれば幸いです。
ロゴが与える最初の効果は、見た人に安心感や信頼感をもってもらえるという点です。
特に起業直後は、まだ実績も知名度もない状態です。
そんなときでも、きちんとしたロゴがあるだけで、「しっかりしていそう」「信頼できそう」といった印象を与えることができます。
では、「良いロゴ」とはどんなロゴでしょうか?
それは、自分たちらしさが感じられるロゴです。
かっこよさや美しさだけでなく、想いやビジョンが込められたロゴは、その企業や事業の「ありたい姿」を自然と伝えてくれます。
ロゴは社名とセットで記憶され、イメージとして頭に残ります。
だからこそ、見た目のデザイン以上に「意味」や「ストーリー」が伝わることが大切です。
さらに、そのロゴを一番目にするのは、実は創業者や社内のメンバー自身。
毎日目にするからこそ、ロゴが表すイメージに自分たちの行動も自然と近づいていくのです。
ロゴには、ブランドの印象や感情を蓄積していく器のような役割があります。
たとえばあるお客様が、あなたのサービスや商品を体験したとき、そのときの印象(「親切だった」「高品質だった」「安心できた」など・・・)とともに、ロゴのビジュアルも記憶されていきます。
書籍『実務家ブランド論』では、ロゴは「ブランドの印象を貯める貯金箱」と表現されています。
お客様があなたのビジネスと接点を持つたびに、そのときに想起された感情や印象がロゴに結びついて記憶されていきます。
感情や印象が貯まっていくと、やがてロゴを見るだけで、過去の体験や感情がよみがえるようになります。
すなわちブランド体験を思い出すトリガーになるということ。
だからこそ、ロゴはできるだけ早めにつくり、大切に使っていくことが大切です。
継続して使うことで、見る人の記憶のなかで意味を育てていくのです。
3つ目は、社内や仲間に向けた効果です。
創業初期にロゴをつくると、それは自然と「思いの詰まったシンボル」になります。
ビジョンや価値観を反映させたロゴは、仲間との共通言語として機能し、モチベーションの源にもなります。
人数が増えるにつれ、新しく仲間になる人にとっては、ロゴは「最初からあったもの」になります。
それでも、ロゴに込めた意味や想いを丁寧に伝えることで、帰属意識を育てることができます。
「私たちのロゴには、こんな想いが込められている」
「このロゴは、目指す未来を象徴している」
そんなふうに語られるロゴは、日々の迷いや判断において、進むべき方向を照らす“旗印”になります。
ロゴは、視覚的な統一感の起点にもなります。
名刺やWebサイト、パンフレット、SNSアイコン、サイン、パッケージなど──
事業を進める中で、さまざまな「見せ方」を整える必要が出てきます。
このときロゴがあると、全体のデザインの方向性が容易に定まり、一貫したビジュアルイメージを築くことができます。
ロゴをもとに色・書体・形のトーンをそろえるだけでも、「統一感のある世界観」が伝わりやすくなります。
また、デザイン制作の際にも「方向性で悩むことが少なくなる」ため、スピーディかつ効率的に進められるという利点もあります。
ロゴは、お客様に信頼される第一印象をつくり、ブランドの記憶を蓄積し、チームの結束を高め、視覚的な軸をつくる──
そんなふうに、ビジネスを前に進める力を持つツールです。
「どんな自分たちでありたいのか」
「このロゴを見たときに、どんな気持ちを思い出してほしいか」
そんな視点で、自分たちのロゴをつくることを考えてみてはいかがでしょうか。
きっと、あなたのビジネスを力強く支える、心強い“相棒”になってくれるはずです。
この記事を書いた人
ロゴストックの中の人。管理、運営をしています。
想いや魅力を伝えるロゴの面白さを広めるをテーマに活動をしているロゴデザイナー。
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