和文書体の種類とイメージを抑えて日本語ロゴの制作に役立てよう

最終更新日:2020年7月11日

ロゴのイメージ、人格のようなものを決めるのに大きな要素を占める書体。

前回は欧文書体の種類とイメージを紹介しましたが、今回は和文書体の種類とそのイメージについてを解説します。ロゴづくりや見出しタイトルなどをデザインする際の参考になれば幸いです。

和文のイメージ

日本語のロゴを見たとき、どのような印象を持つでしょうか?
私たち日本人にとっては、アルファベットのロゴよりも親しみを感じると思います。

欧文で表現されたネーミングがおしゃれさやスタイリッシュさを感じさせるのに対して、母国語である日本語で表現されたネーミングやロゴは、やはり安心感や親近感を与えることができると言えるでしょう。

また、もちろんですが、和風な印象も感じさせやすいです。
筆文字や筆書体が使われた日本語ロゴなど、昨今では文字のフォルムのクールさが外国人にも人気です。

和文書体4つの種類

そんな日本語のイメージですが、和文書体としては、ざっくりと4種類に分けられます。
分類方法や名称はさまざまにありますが、ロゴや見出しタイトルづくりをすることを考えた分類を一例としてあげました。

日本語ロゴなどを作る際、目指すイメージの方向性を表現するのに適している書体をまず抑えていきましょう。

ここからは、書体の種類とそこに分類される代表的なフォントを紹介していきます。

明朝体

文字の横線や角に三角状のウロコがついた書体が明朝体。欧文で言うセリフ体のような書体を指します。
手書き書体である楷書の諸要素を単純化したものとなっており、ラインは横線が細く、縦線が太いかたちで表現されているものが一般的です。

明朝体の印象

明朝体は、落ち着きやフォーマルな印象を与えます。格式や洗練さがあるので高級感を感じさせたいものに有効。学術的であったりクラシカルな雰囲気もあります。

ゴシック体

縦線・横線の太さが比較的一定で、ウロコなどの装飾がない書体がゴシック体。欧文で言うサンセリフ体のような書体を指します。
遠くから見ても文字が判別しやすいため、看板や標識などに使われることが多いです。

ゴシック体の印象

ゴシック体は、現代的でモダンな印象を与えます。明朝体と比べるとカジュアルで親しみやすさがあるとも言えるでしょう。視認性が高いため、ロゴや見出しタイトルに必要な様々なサイズでもはっきり見えるという機能も満たしやすいです。

さらにラインの先端の形状により、角ゴシック体と丸ゴシック体に分けられます。

また、中にはゴシック体と明朝体の中間のようなフォントもあります。
タイポスやフォークは、縦線と横線に強弱をつけながらもウロコがありません。

このようなフォントは、格式や洗練を感じさせつつ現代的な印象になっています。使い方によっては、しなやかさやエレガントなイメージも感じさせることができます。

筆書体

毛筆のタッチが表現された書体です。楷書体、草書体、行書体、隷書体、篆書体などが代表的です。
欧文書体で言うスクリプト体にあたりますが、筆というところが和文ならではであり、日本らしさであると言えます。
アルファベットを筆文字で表現することで、和風らしさを醸成するという方法もよく使われます。

筆書体の印象

手書きによるやわらかさや温かみを感じるものもあれば、荒々しさや力強さを感じるものまで書体によって様々です。
共通して言えるのは、筆による和風な雰囲気、古典的、伝統的な印象を与えることができます。

デザイン書体(ディスプレイ書体)

上述のどのカテゴリーにも入らない、個性的な書体がデザイン書体です。
フリーハンドの書き文字のようなものや、ラインの先端に装飾がついていたり、骨格が独特であったりとさまざまなフォントが存在します。

デザイン書体はそれぞれに強いイメージを持っているため、つくろうとしているロゴから与えたいイメージとマッチしているかをしっかり見極めて使うと良いでしょう。
また、個性的であるがゆえに、他のロゴですでに使われている場合は、そのロゴと類似であるという印象を与えてしまう場合もあります。そのあたりも注意して選びましょう。

さいごに

以上、和文書体の種類とそこから感じられるイメージをまとめてきました。
ですが、ここであげたイメージはあくまでも一例です。

それを見る人や利用シーンによってもイメージは変わることがありますし、時代とともにイメージも変化していきます。
大切なのは、ロゴや見出しタイトルを作る際にどのようなイメージの醸成をねらうかをはっきりとさせ、そのイメージに近いフォントを選ぶということでしょう。
素敵なロゴづくりに役立てましょう。

こちらも合わせて読みたい

欧文書体の種類とイメージ
 
 
この記事を書いた人