デザイナーと一緒にロゴをつくりあげていく ガチャマン・ラボ 高橋仁里さん〜ロゴ発注者インタビュー

最終更新日:2019年8月10日

ガチャマン・ラボ 高橋仁里さんロゴストックのインタビューコーナー【LOGO DAYS】
今回は趣向を変えて、デザインを発注するクライアントへのインタビューとして、ガチャマン・ラボの高橋仁里さんにお話を伺いました。
取材にあたっては、クラウドワークスさんにご協力をいただきました。ありがとうございます!

ガチャマン・ラボは、日本の繊維産業の復権をテーマにグローバルな活動をするクリエイター集団。現在は主に、繊維産地としての存亡が危ぶまれている栃木県足利産地の復興に向けて、活動をされています。

足利市、パリ、ミラノを拠点に、テキスタイル(=洋服の生地)をデザインし、欧州トップメゾン(パリコレ・ミラノコレクションブランド)へ販売。このほど、日本の生地はほとんど使わないと言われていたフランストップメゾンのオートクチュールにも採用され、これから注目が高まっていくこと間違いなし。今後、目が離せない集団となりそうです。

そんなガチャマン・ラボの代表で、クリエーターでもある高橋さんが、クリエーターに向けてデザインを発注。
分野は違えど、同じ作り手としての視点から、デザイナーとともにロゴをつくり上げていった過程を話していただきました。

新しいものは積極的に試してみたい

クリエーター集団であるガチャマン・ラボさん。ロゴをつくろうという話が立ち上がったときには、当然ながら自分たちでデザインしようという声も出たそうです。

そんなおり、高橋さんはいつも読んでいるビジネス雑誌で、クラウドソーシングという、仕事の形態が盛り上がってきていること、そしてクラウドワークスというサイトの存在を知ります。
全国にいる多数のフリーランスにロゴデザインの依頼をすることができ、そして大小様々な企業でも利用されているという状況を見て、新しいものは積極的に取り入れたい。まずは軽い気持ちで試してみようと思ったといいます。
そして、仲間たちにも話をして、クラウドワークスに登録をすることに決めました。

提案の幅を広げる依頼

ロゴデザイン依頼の際に、高橋さんの中でイメージがはっきりしていたのは、「単色でフォーマル、高級感が漂うものにしたい」という点でした。
それだけはしっかり伝え、その他はデザイナーが提案の幅を広げられるようにと心がけたそうです。

制限が多すぎると、提案されるロゴデザインがどれも似通ったものになってしまう可能性があります。
多くのデザイナーが取り組んでくれるのであれば、「各々のデザイナーならではの発想が入った、多彩なデザインの中から選びたい」という高橋さんの想いがあり、デザイナーが存分にクリエイティビティを発揮できるような環境をつくれるよう配慮しながらの依頼となりました。

登録をすると、3日もしないうちに100件以上のロゴデザインが集まったそう。このスピード感には驚いたと言います。
そして、デザイナーからの様々な発想による提案も、とても興味深かったそうです。

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選定にあたっては、「8人のメンバーの総意で決めたい」という思いがありましたが、それぞれが全ての案を見てしまうと、好みもバラバラなので意見をまとめるのは大変になりそうだ。そう感じた高橋さんは、まず最初に「これはいいな」と思ったものを何点かピックアップしてメンバーに送ったそうです。それを元に意見を交わし合い、週末にコアメンバー3人で集まって、絞り込んでいきました。

丁寧に納得いくまでブラッシュアップ

絞り込んでいく際にデザインを候補を眺めていると、ふと「このロゴ案って○○のロゴに似てるなぁ」と気づきます。
記憶の片隅に残っている、どこかで見たことがあるロゴに似ているものを無意識に選んでしまっていたのです。
今回のロゴは、自分たちのオリジナリティを主張するもの。どこかで見たことがあるようなものはやはりNGです。
そんなプロセスによる消去法でロゴを選んでいきます。

そして、ブラッシュアップの過程では、デザイナーからの質問にマメに答えたり、「現時点で評価の高いもの」を全体に向けて発信。
デザイナーはそれに応じて新たなデザインを起こしたり、磨き上げて行ったりします。このようにしてロゴデザインは洗練されていきました。

そんな中、あるデザイナーが提出していた『手書き文字のロゴタイプ』に目が止まります。
この手書きというアプローチにインスピレーションを感じ、他にも手書きロゴをつくってほしいと追加依頼をしました。
それに応えたデザイナーは、ペンを変え、筆跡を変え、様々なバリエーションの手書きロゴをつくってくれたそう。
追加であがってきた7〜8案の手書きロゴタイプを経て、最終的に完成したのがこのロゴです。

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とにかくたくさん出すことが重要

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最終的に集まったデザインは、トータル277案。
集まった案のなかから、「このアイデアいいね」というタネを高橋さんが見つけ出し、デザイナーがそこに多彩な魅力を付け加えてカタチにする。非常にクリエイティブなやりとりが、クラウドワークス上で交わされたようです。

今回のロゴ制作を通して、発注者の立場としてデザイナーに伝えたいことは? と聞くと
「自分で選んで可能性の幅を狭めないほうがいい」と語ります。
デザイナーは非常にたくさんの案をつくると思います。クライアント提出の前に、自分でこれはボツにしようなどと決めて、提出案を絞ってしまうのは、もったいないことなのではないかと高橋さんは言います。

クリエーターとしての高橋さんも、海外のトップメゾンに売り込みに行った際、自信のある数十点の生地だけを持っていったそうです。しかしそこで言われたのは、「もっと他に生地はないのか? 選ぶのはこっちなんだからたくさん持ってきてほしい」ということでした。

「決めるのは、クライアントであってデザイナーではない。どの案が相手の心に響くかはわからない」。
同じクリエーターとして、ひとつでも多くのデザイン、ひとりでも多くのデザイナーに光が当たって欲しいと思っているのです。

ガチャマン・ラボ

取材を終えて〜ロゴストックから

にこやかに快くインタビューに応じてくださった高橋さん。
新しいものは積極的に試していったり、海外のトップメゾンに自ら売り込みに行ったり、フットワーク軽く挑戦を重ねている姿が素晴らしいお方でした。新たな試みとしてクラウドファンディングを利用した支援も募集中です。

ロゴを作り上げていくアプローチは、ロジカルな部分とエモーショナルな部分がうまく使い分けられていて、発注側として、
ディレクターとして、デザイナーとして、いろいろな立場の方に参考になる内容ではないかと思います。

今後、パリコレ、ミラノコレクションで、ガチャマン・ラボさんのつくった生地が使われるのは、同じ日本人として誇りに思いますね。

また、取材にあたってはクラウドワークスさんに、いろいろとセッティングをしていただきました。
素敵な機会をつくっていただき、本当に感謝いたします!

あなたのお話、聞かせてください!

※ロゴストックでは、「LOGO DAYS 〜ロゴデザイナーインタビュー〜」に登場していただけるロゴのデザイナーさんを募集しています。自薦他薦は問いません。お問い合わせフォームからご連絡ください。

取材協力:株式会社クラウドワークス

クラウドワークスクラウドワークスは「21世紀のワークスタイルを提供する」をミッションとして展開するエンジニア・デザイナー・ライターのクラウドソーシング(ウェブのお仕事マッチング)サービスです。
日本最大級のクラウドソーシングとして現在急成長中、お仕事の予算総額は30億円を突破、上場企業を始めとして12,000社以上の企業が活用しております。

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