良いロゴを作成するために考えておきたいこと[発注者編]

最終更新日:2020年6月27日

会社を立ち上げた、新サービスをリリースする、チームを結成した。
ロゴ作成が必要になる場面は結構ありますね。さて、そんなときどんなロゴを作るべきでしょう?

せっかく作る大切なロゴです。ただ単にカッコイイ、美しいデザインというだけではもったいない。
しっかりと思いを込め、自社や自サービスを的確に表現し、長く使える魅力的なロゴを作成したいものです。

発注側が、デザイナーにロゴデザインを依頼するときに、ロゴ作成で考えておきたいことをまとめてみました。
これらをまとめて、デザイナーにお願いすると、魅力的なロゴができる可能性がぐっと高まるんじゃないかなと思います。

ターゲットに訴求するロゴをつくろう

ロゴの対象となる会社や商品、サービスのターゲットを明確にして、ターゲット層に訴えるロゴをつくりましょう。
デザインの方向性を定めるためにターゲット層ははっきりさせる必要があります。
男性に向けたものと女性に向けたものは、自ずとデザインも異なります。

ただ、せっかくロゴを作るのであれば、より具体的にターゲットをイメージしてみたいものです。
性別や年代だけではなく、行動パターンや性格・好みなど。
マーケティングで使われる仮想ユーザーモデル、ペルソナをはっきりさせてからデザインをすれば、できあがるロゴの訴求力も高まるでしょう。

ロゴには意味や物語(ストーリー)を込めよう

ロゴマークは企業やサービスの顔とも言えるもの。
ぱっと見て印象に残るものであるのと同時に、「弊社のロゴには、こういう意味が込められていまして・・・」と、ロゴを基点に会話が生まれるものが魅力が伝わるロゴといえるでしょう。

良いロゴは、まずは視覚に訴える、そして意味を知って納得し、心に残る。

こんなプロセスを積み重ね、あなたのブランドは強くなっていくでしょう。(もちろん会社の理念やサービスの特徴にリンクしていることが重要ですが。)

そして、ロゴは求心力になるものでもあります。言ってみれば同じ志を持つものの旗印。
同じ思いの仲間を惹きつけるものにもなるでしょう。
あなたの会社ならではのストーリーが込められれば最高です。

独自性のあるデザインに

安易な発想によるデザインはやめましょう。

例えば、歯科医院のロゴに歯のモチーフを使ったデザインを良く見ます。
これは、街中で様々な種類のお店が並ぶなかでは、歯のモチーフは歯科医院として認識しやすいといえるでしょう。
しかし、街中に何件か歯科医院があるとしたら・・・、他の歯科医院との差別化にはなりにくいです。

自分たちならではの特徴的なモチーフやシンボルを考えて、独自性の高いデザインのロゴをつくりましょう。
歯科医院の例で言えば、歯のモチーフに、自分たちのアイデンティティを表現する何かを加える、掛け合わせることで、独自性のあるデザインにしていくアプローチもありですね。

流行を追う?流行をつくる?

ロゴの場合、流行のフォントやデザインに走るのは避けるべきでしょう。

流行とはすぐに流行遅れになってしまうもの。あなたのロゴもすぐに古臭く感じてしまうでしょう。
そもそも流行とは、よく見るデザインということなので、あなたのロゴがそのなかに埋もれてしまうことになりかねません。

ただし、毎年開催するイベントなど、すでにブランドがある程度構築されていて、今ならではを表現したい!というロゴの場合は、あえて流行を取り入れることによって、今らしさを表現できるかも知れませんね。

ロゴマークかロゴタイプか

logomark_logotype
ロゴには、「ロゴマーク(シンボルマーク+ロゴタイプ)」と「ロゴタイプ」のみのスタイルがあります。
ロゴマークは遠くからもパッとわかるなど、読むことよりも見ることを重視する場合に有効。ロゴタイプの場合は、店名を覚えて欲しいとか、見ることよりも読むことを重視する場合に有効です。

アップルやナイキなど、シンボルマークだけで展開するケースもありますが、これはブランドが広く浸透していて、マークが周知のデザインである場合に有効で、普通のブランドでこれを行うと認知されない危険性があるので、注意が必要です。

色が与える効果やイメージを取り入れよう

色は、見る人にさまざまな印象を与え、人間の心理や行動に結びついていると言われています。ロゴの配色に活用することで、企業やサービスのイメージを戦略的にコントロールすることができるでしょう。
ここでは、ロゴで良く使われる代表的な色のイメージをあげてみます。(ロゴデザインの見本帳より)

赤系(レッド系)
あふれるエネルギーや生命力を象徴する色。人間の生理作用に強く働きかけ、興奮作用で気分を高揚させる。「情熱」「活気」「愛情」「希望」などの感情を表す。好奇心をもたせ、購買欲を感じさせる。慶事や祝祭を表現する色でもある。

オレンジ系
コミュニケーションを活性化させ、フレンドリーな関係を象徴する色。色彩心理的には、喜びや明るさを表現し、精神的な苦痛をやわらげる色。陽気でのびのびとした活発なイメージ。また、食欲を換気させる色でもある。

ピンク系
「やさしさ」「おだやかさ」を感じさせ、健康に優れ、愛に満ちあふれている雰囲気や、幸福感を象徴する色。色彩心理的には、高まる気持ちをリラックスさせ、落ち着かせる効果を持つ。女性や子どもをイメージさせる色。

黄色系(イエロー系)
注意を喚起し、注目を惹きつける色。ただし白地に淡いイエローは視認性が悪くなるので注意。
また、集中力や論理的な思考を高める働きを持つ。気分をリフレッシュさせ、活力を与え、爽快感を生む。抑圧のない、明るくのびのびとした開放的な気分に浸れる色。

緑系(グリーン系)
「生命」「成長」「自然」「エコロジー」「ナチュラル感」を表現する色。色彩心理の面では、おだやかな気持ちになり、休息、安心感を与え、喪失感を埋める色。中性的な色として、冷たさはなく、静かで気持ちを落ち着かせる色。

青系(ブルー系)
空や海の色であり、寒色の代表格。色彩心理の面では、鎮静効果が高く、エネルギー代謝を抑え、血圧や心拍数を下げる効果がある。理性的な状態を表し、感情のコントロールを助ける色。「知的」「堅実」「冷静」「沈着」「信頼感」なイメージ。

紫系(パープル系)
高貴で特権的な意味合いを持つ。色彩心理の面では、情緒豊かな気分を促し、直感力や心の情念を表す。精神的な疲労から気分を鎮静させ、心身ともに緊張をほぐす効果も。「高貴」「気品」「神秘」「官能的」「個性的」「エレガント」なイメージ。

茶色系(ブラウン系)
土や岩、木の幹の色。堅実性で安定性のある志向を促し、現実主義で、経済観念があり、熟考して行動するイメージの色。また、味覚のイメージが伝わりやすい色で、「しっとり」「ナチュラル」「豊潤」「味わい深い」などの印象を持つ。

黒・グレー系
無彩色のグレーは、感情を持たないため、クールな世界観を持つ。色彩心理的には、内面の充実をもたらし、効率や能率を上げる効果が期待できる色。「忍耐力」「慎重」「複雑」「無限」「静」「大人」といったイメージで真面目で堅実な印象。

ロゴは意外といろいろな場所でつかうもの

ロゴを使う場面を考えてみましょう。
名刺につかう小さなロゴから、ビルボードの看板、WEBサイトに表示して、PCやスマホ、タブレットの画面で閲覧されたり・・・。
このようにロゴは様々なシーンで使われる可能性があります。
特にある程度小さなサイズでも、しっかりと判別できるものを作らないといけません。

大きさだけでなく、色も視認性を左右する要素です。見えやすい色を心がけるのが良いでしょう。
世の中のロゴは、単色であれば一番多い色は青、次に赤、緑と続きます。
例えば黄色のロゴは、これらに比べるととても少ないようです。それは、白地にイエローとなると可視性が悪くなるからというのが理由のひとつと言えます。
また、カラーとは別に、モノクロで印刷されたときも、はっきり鮮明に見えるようにしましょう。

いろいろな場面で使うことを想定して、可能であれば、ツール展開をした場合のイメージもロゴ作成のときに合わせて検討すると良いでしょう。

ロゴを眺めてインスピレーションを得る

さあ、自分たちのロゴのイメージが出来てきたでしょうか?

世の中には、アイデアにあふれたロゴがたくさんあります。それらを眺めてみることでも様々なインスピレーションを得られるでしょう。
デザイナーにイメージを伝えるときにも、言葉だけでなくビジュアルのイメージも一緒に伝えると、お互いのイメージのすり合わせに役立ちます。ロゴストックのロゴ一覧もおすすめです。
また、ある程度デザインが出来てきた際に、類似したロゴがないかを調べるときにも役立つかもしれません。

ロゴ作成のパートナーをみつける

ロゴをデザインするには、個人のデザイナーに依頼する、デザイン会社に相談する、コンペを開催する、自分でつくる、などなど色々な選択肢があると思います。
長く使える良いロゴを作っていきましょう。

 
※ロゴストックを運営している株式会社ドーナッツカンパニーでは、ロゴ制作サービス「DONUT DESIGN(ドーナッツデザイン)」も行っています。

たくさんのロゴを研究してきた知識を活かし、起業時のロゴからブランドリニューアル、個人事業から大企業までと、幅広くロゴ制作のお手伝いをしています。

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