本質を見つけ出し光をあてるロゴデザイン 〜 MARKLE DESIGN・武井衛さん(LOGO DAYS インタビュー)

ロゴストックのデザイナーインタビューLOGO DAYS。

今回は、MARKLE DESIGN(マークルデザイン)の代表、武井衛さんにお話を伺いました。

武井さんはデザイナーとして、広告制作プロダクション、企業の広告宣伝部を経て、2015年5月に独立。MARKLE DESIGNを設立されました。

独立後のお仕事は、『日本タイポグラフィ年鑑2017』にも3点のロゴが入選となり、いま注目が集まってきているデザイナーです。

このページのLOGO DAYSのタイトルロゴも武井さんに制作いただきました。
 
明快でシンプルなデザインは、ご自身のロゴへの考え方をカタチにしたものだそうです。
そんな武井さんに、ロゴデザインのプロセスについて語っていただきました。
実際に手がけられたお仕事について、スケッチからプレゼン資料までを一部公開。デザイナーさん必見です!

ヒアリングは、クライアントの想いを自由に話してもらう場

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武井さんのロゴ制作のステップは、「1.クライアントへのヒアリング」「2.情報を整理し、キーワード出しとスケッチを繰り返す」「3.スケッチをIllustratorでトレースしデザインを仕上げていく」。大まかな流れはこのような感じだと言います。

その中で、最も重要だと言えるのは、クライアントへのヒアリング。

武井さんの場合は、とくにヒアリングシートなどは用意せずに打ち合わせに臨みます。
これは、先入観を持たずにヒアリングを行うため。
膝と膝を合わせ、クライアントに自由に語ってもらうことで、その人が本当に大切にしていることが見えてくるのだと話します。

事前に質問項目を用意すると、準備した項目をすべて聞き出すということに意識してしまい、その人や企業の本質を聞き出すことができない可能性もあるのです。

ロゴデザインとは、その対象となる会社、商品、ブランド、人の魅力を引き出し、その対象に相応しい表現で見える化すること。
すなわち、本質を見つけ出し、どこから光を当てるのか。だと言います。

相手の心の中にあるもの、そして状況を理解することが、デザインワークの起点。
そのためには、ヒアリングはとても重要、最も大切な部分なのです。

必然と偶然のミックス キーワード出しとスケッチを繰り返す

ヒアリングした内容を元に、思考の整理をしていきます。

対象となるモノの、歴史や出来事、これから進む道、未来、夢など、あらゆるアプローチで見つめ、「自分ごと化」をしていくステップです。

ポイントは、「クライアント以上にそれを知りファンになる、一言で言えば、『愛する』こと」なのだとか。

時間の許す限り対象となるものを調べ、ヒアリングで得たクライアントの真摯な想いなど、自分の中にしっかりとインプットしたうえで、光を当てる部分となるキーワードを導き出していきます。

その後はスケッチを繰り返します。キーワード出しは論理的な作業であり必然を見つけることですが、スケッチでは、手を動かすなかで偶然に面白いカタチやラインが生まれることもあるため、相互に繰り返すことでキラリと光るアイデアをみつけていきます。
まさに「必然」と「偶然」のミックスによって、生み出していくのです。

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求めるイメージに出会うまでには、やはり、いくつでも描いてみるしかないと話します。
自分の中でイメージが明確であれば、描いているうちに「あ、これだ」と思える瞬間が必ず来るのです。
それまでは、何百個も描く場合もあるし、数個で決まる場合もある。
角田税理士事務所のキャラクターロゴは、2,3個のスケッチで「これだ」と思えるカタチに出合えたとのことです。

キーワードとデザインを対応させてみせるプレゼン資料

スケッチをIllustratorでトレースし、デザインを作成していきます。

そして、最後にまとめていくプレゼン資料にも武井さんならではの方法がありました。

まず前半でヒアリング内容の確認と、そこから導き出されたキーワードをしっかりと提示します。
実際のプレゼンの際、最初にこのキーワードをクライアントと共有することで、このあとのデザインを同じ視点で見ていくことができるのだとか。

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そしてそれぞれのキーワードに対応したデザイン案を並べていきます。

キーワードで込めるべき思いや意味がずれていないかを確認し、それによりデザインもそのキーワードに沿った視点で確認することができます。(※実際の提案資料では各ロゴごとに1ページをつかいコンセプトを説明した資料も用意されています)

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この場合は、オフィスロゴ(下図 左 ※提案時とは色違い)とキャラクターロゴ(下図 右)の2つをシーンに合わせて使い分けていくカタチで採用されたそうです。

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ロゴはブランディングの根幹

以上のような、しっかりとしたプロセスを確立し、それぞれのステップをていねいに進めていく武井さん。

現在、ロゴを中心にした仕事をメインに行っている理由は、流行にとらわれず、お客様の思いやその事業の目的をしっかり理解し、その中でお客様がその業界、また世の中で、信頼性をあげていくお手伝いをしていきたいという想いがあるからだそう。
そんなブランディングの根幹にあるのがロゴデザインだからです。

武井さんのクライアントには、中小企業の経営者や起業をしようとしている個人の方が多くいらっしゃいます。

大手企業との仕事は露出も大きく、喜びややりがいもありますが、中小企業や個人起業家の方との仕事は、経営者と直接話しをする機会が多いため、想いをダイレクトに聞くことができ、新しくロゴが出来上がった喜びを直接分かち合える嬉しさがあると言います。
また、お客様のブランディングに関して提案する機会も多く、それも楽しいとのことです。

武井さんは、これまでのキャリアの中でデザインに関する仕事を幅広くやってこられましたが、独立に際しては「何ができるか」ではなく「何がしたいか」を突き詰めたと言います。
それが現在のお仕事のメインになっているロゴやブランディングだったのです。

ロゴデザインで心がけることのひとつとして「対象となるものを愛する」と語っていますが、武井さん自身がこの仕事を愛しているからこそ、魅力のあるロゴデザインが生み出されるのかも知れませんね。

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posted by 遠島啓介 on 2016年12月9日

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