ロゴの色を決めるときに注意したい RGBからCMYKに変換すると色が変わってしまう件について

最終更新日:2022年3月10日

ロゴは、スマホやパソコン画面での表示から、チラシやカードなどの印刷物など、様々なシーンで使われます。
そのためロゴの色を決める際は、RGB、CMYKの両方を用意することが一般的です。

Adobe Illustratorでロゴを作ったとき、RGBで指定した色をカラーモードの変換でCMYKにするとくすんだ色になってしまう場合があります。

ロゴではどんな環境でもできるだけ色の印象が変わらないようにしたいもの。
そんなときにのための方法を解説します。

RGB、CMYKのしくみ

まずはじめにRGBとCMYKのしくみを知りましょう。

RGBとは

RGBとは、光の三原色であるRed(赤)、Green(緑)、Blue(青)の頭文字をとったもの。加色混合といい、色を重ねるごとに明るくなり、全部を足し合わせると白になります。

主にスマホやディスプレイなどの液晶画面で表示するときにつかわれます。

表現方法としいては、RGBをそれぞれ0〜255の256段階で表現します。
WEBでは16進数にしたカラーコードで指定するのが一般的です。
16進数(HEX)では00〜FFになります。

CMYKとは


CMYKは、Cyan(シアン)、Magenta(マゼンタ)、Yellow(イエロー)、Keyplate(キープレート)の頭文字をとったもの。
減色混合といい、重なった部分はだんだん色が暗くなります。CMYの3色を重ねると理論上は黒になりますが、実際には完全な黒にはならないので、黒のインク(キープレート)が別に用意されています。

表現方法としては、CMYKのそれぞれを0〜100%で指定します。

RGB→CMYK変換の手順

Adobe IllustratorでRGBカラーモードでつくったロゴの色を印象を変えずにCMYKの数値を決定する場合の手順を説明します。

カラーモードを変換する

まず、カラーモードをCMYKカラーモードに変換します。

ファイル → ドキュメントのカラーモード → CMYKカラー

変換をすると、色がCMYKでの近似色に変換されます。

このままでは色の印象が異なる場合がありますので、その場合は、カラーピッカーでこれを合わせていきましょう。RGBのものを横に並べるなどして、見た目を合わせていくと便利です。

似た色に近づけることができたら、CMYKの数値を整えます。

カラーパネルで、小数点以下を四捨五入するなどで整数値にまるめます。ロゴの場合はさらにシンプルにして5の倍数で指定することも多いです。

これでRGBとCMYKの値が決まりました。

CMYKから色を決めるほうが色の差が少なくなりやすい

色によっては、どう調整してもRGBとCMYKで同じ色にならないことがあります。
これは、RGBとCMYKの色域に差があることが要因です。

上図はRGB、CMYKの色域を並べたものです。
全体的に鮮やかな印象のRGBに比べ、CMYKはくすんだ色合いになっています。
とくにグリーンや水色、ピンクの部分は差が大きいです。

RGBだけにある鮮やかな色は、どうがんばってもCMYKでは表現ができません。

逆にCMYKで表現できる色は、比較的RGBでもカバーされているため、特別な理由がなければ、ロゴの色を決める際は、CMYKモードで色を選び、そこからRGBに変換するほうが、両カラーモードでの色の差が出にくくなります。

まとめ

RGB、CMYKはそれぞれ発色方法が違います。

ロゴのように様々な環境でなるべく同じ色になるようにしたい場合は、はじめにCMYKで色を決め、それをRGBに変換するのが無難。

RGBからCMYKに変換する際は、カラーモードの変換だけでなく、見た目が近くなるように細かく調整することが必要です。

この記事では、Adobe Illustratorを使用した変換方法を解説しました。Adobe Illustratorの詳細とダウンロードは、下記からどうぞ。

Adobe Illustratorの詳細とダウンロード(Adobeのサイトへリンクします)