最終更新日:2022年7月14日
デザイン制作を行う際に、効果的かつ適切な色を選ぶことはできていますか?
自分はセンスがないから、うまく色を選ぶことができないと思っている方もいるのではないでしょうか。
しかし色はセンスではありません。色の理論や知識を身につけることで、ぐっと色の扱いがうまくなり、素敵なデザインが作れるようになるでしょう。
今回は、ロゴづくりなどのデザインワーク、コーポレートカラー選びなどに役立つ、色に関する書籍を紹介します。
※各書籍のリンクは、Amazonのページへのリンクとなっています(ロゴストックは、Amazon.co.jp アソシエイトメンバーです)。
赤は情熱的、青はクールなど、色を見たときに思い起こす感情や想起するイメージを考慮して、コーポレートカラーやロゴの色を決めることは多いです。
『決定版 色彩心理図鑑』では、色と感情、好きな色と性格など、色によって変わる感覚について、網羅的に解説されています。
さらに、色が文化のなかでどのような役割を担ってきたかなどの知識も、グローバルで考えたときの色の扱いなどに役立つと思います。
イメージについては、言語イメージ、視覚イメージ、心理イメージにわかれているため、すっきりと整理されています。
色選びに納得感や説得力を持たせたいというときに、一読すると良い本です。
『決定版 色彩心理図鑑: 隠された色の力を知る・使う』
ポーポーポロダクション(著)/日本文芸社 2020/10/9
色にはさまざまな名前がつけられています。その名前がつけられた背景や物語などがあるので、ロゴの色を決める際に、その色の由来をうまくブランドの意味づけとして使えると良いでしょう。
『色の名前事典507』は、日本の色、世界の色、あわせて507色の由来が掲載されています。それぞれの色について、CMYK、RGBでの数値も書かれているので、便利です。
例えばロイヤルブルー(C92 M70 Y0 K0、R28 G80 B147)は、王室の青を意味します。
単に青や紺というよりも、王室からイメージされるフォーマルさ、権威の象徴、あこがれといった意味をもたせやすくなるでしょう。
『色の名前事典507』
福田 邦夫(著)/主婦の友社(2017/2/24)
もう一冊『365日にっぽんのいろ図鑑』は、日本の伝統色の名前と由来がまとめられています。
例えば常磐色(C96 M0 Y93 K38、R6 G158 B11)については、「常磐」という永久不変を表す言葉から来ているとのこと。松や杉のように一年中緑をたやさない常緑樹にも用いられ常盤木と呼ばれていて、その緑色にこの名前がついています。
緑の色のイメージに加え、常磐=永久不変の意味も持たせることができるのではないでしょうか。
『365日にっぽんのいろ図鑑』
暦生活(著)、高月美樹(監修)/玄光社(2020/12/16)
『やさしい配色の教科書』は、色のルールを知るのに最適な一冊。配色を中心に、わかりやすい図版で、色を扱う際の考え方の手助けとなるルールや法則が解説されています。
ロゴのみならず、デザイン全般に役立つ内容で、とくに初級者は一読しておきたい書籍です。
『やさしい配色の教科書[改訂版]』
柘植ヒロポン(著)/エムディエヌコーポレーション:改訂版(2018/6/22)
同じ色を見ていても人によって見え方は違います。
なんとなくはわかっていても、なぜ違うのか、どのように異なっていくことがあるのかを知ることは重要。
『グラフィックデザイナーのための色の基本』は、デザイナーとして知っておきたい色の原理や理論、技術が解説されています。プロとして色の扱いやコミュニケーションに失敗しないための知識を得ることができるでしょう。
人やシーンによって色の見え方が変わってしまう理由や、RGBやCMYKに代表される色の表現方法や規格、印刷の知識などが掲載されています。
『グラフィックデザイナーのための色の基本: 印刷物作成へのカラーコミュニケーション』
宇野 則彦(著)/印刷学会出版部(2019/8/1)
一冊で色の扱い全部を学びたいなら『色の大事典』がおすすめ。
RGB、CMYK等のしくみやIllustratorやPhotoshopでの表現の仕方、各色の心理効果や色名の由来、配色のルールや効果など、盛りだくさんの内容です。
デザイナーとして、身につけておきたい色の知識の全体像をつかめ、なおかつ深く学んでいくこともできる書籍です。
『色の大事典 基礎知識と配色・カラーチャート・伝統色・慣用色名 DIGITAL COLORS for DESIGN』
井上のきあ(著)/エムディエヌコーポレーション(2021/9/17)
いかがでしたか?
色の心理効果や由来、ストーリーを知識として身につけ、配色の理論や技術、CMYKやRGBといった色が表現される仕組みなどを一通り押さえておくと、素早く的確に色を扱うことができるようになるでしょう。
特にロゴの色やコーポレートカラーでは、色から想起されるイメージをブランドイメージに結びつけるだけでなく、その色の由来や文化的背景などをうまくブランドのイメージに重ねられると、ぐっと奥行きを感じられるようになります。
今回ご紹介した本は、ずっと手元に置いておき、色について迷ったときに読んでみると、良い解決法が見つかる、そんな本を選んでみました。
あなたのデザインワークに役立ていただけると嬉しいです。