第58回は、秋田県秋田市に本部を置く公立大学「秋田公立美術大学」の校章です。2013年に設置された比較的新しい大学で、東北地方の公立大学では唯一の美術系大学、略称は秋美(あきび)と呼ばれています。
モチーフは、当大学の「英語名」と「秋田市の自然」です。
まず、目を引くのが、大学名の下に横長のデザインで、一見、ロゴ?と思ってしまいますが、まさしく、大学を象徴するロゴマークです。
このデザイン、モチーフである「Akita University of Art」の頭文字「A、U、A」
を繋げたようなラインを2本重ねていて、ライトグリーンのラインには「秋田市から望む太平山の緑豊かな山並み」、ピンクのラインには、「夕日に美しく染まる日本海の波間」という意味をデザイン化し、秋田市の有する豊かな自然環境を可能な限りシンプルに視覚化しています。
実際に本ロゴデザインをした大谷さんのコメントをみてみましょう。
秋田というと、雪国とか穀倉地帯というイメージですが、まず、そういう先入観を取り払った上で秋田市の地勢や自然環境を見てみると、朝日が昇る東側にはなだらかな峰々が連なる太平山連峰を有し、西側は美しい夕日が沈む雄大な日本海に臨んでいます。私が初めて秋田市を訪れた際に素敵だなと感じたのは、高台から見たその2つの風景でした。秋田市にはとても自然豊かな山と海がある。そんな素晴らしい環境の中に本学はあるということをなんとかシンプルに表現したいと試行錯誤し、このような形にたどりつきました。出典:http://icarts.exblog.jp/18755175
なるほど。西に日本海、東には太陽。秋田がもつ魅力を見事表現しています。
今回の校章デザイン、特徴は、デザイナーや教授ではなく、現役の「現代美術家」によるデザインというのが、また、特徴的で、ほかのロゴデザインとは一線を画す「美しい」色と形で表現されているように思います。大学・秋田県への愛にあふれた大学校章、素晴らしい。ごちそう様でした。[大学ロゴ]